技人国の報酬要件|「日本人と同等以上」の判断基準
技人国の報酬要件|「日本人と同等以上」の判断基準
技人国ビザの取得・更新において、報酬(給与)の要件は極めて重要な審査ポイントです。「日本人が従事する場合に受ける報酬と同等額以上の報酬を受けること」が法令上の要件ですが、具体的にいくら以上であれば認められるのでしょうか。本記事では、報酬要件の判断基準を詳しく解説いたします。
参照元: 出入国管理及び難民認定法第7条第1項第2号の基準を定める省令(上陸基準省令)
報酬要件の法的根拠
上陸基準省令において、技人国ビザの報酬要件は以下のように規定されています。
「日本人が従事する場合に受ける報酬と同等額以上の報酬を受けること」
この規定は、外国人労働者を低賃金で雇用することによる不当な労働力の搾取を防止し、日本人の雇用・労働条件への悪影響を防ぐことを目的としています。
「同等以上」の具体的な判断基準
1. 同一企業内での比較
最も基本的な判断基準は、同じ企業内で同じ業務に従事する日本人の報酬との比較です。
| 比較対象 | 判断方法 |
|---|---|
| 同職種・同経験年数の日本人がいる場合 | その日本人の報酬と比較 |
| 同職種の日本人がいるが経験年数が異なる場合 | 経験年数を考慮して妥当な水準か判断 |
| 同職種の日本人がいない場合 | 賃金規程・給与テーブルから判断 |
2. 賃金規程・給与テーブルとの整合性
企業に賃金規程や給与テーブルがある場合は、外国人の報酬がその規程に沿っているかが確認されます。
- 大卒初任給のテーブルがある場合、外国人もそのテーブルに基づく報酬であること
- 「外国人だから」という理由で日本人より低い報酬を設定することは認められません
3. 同業他社・業界水準との比較
社内に比較対象がいない場合は、同業他社や業界全体の給与水準が参考にされます。
参考: 厚生労働省の「賃金構造基本統計調査」が一般的な給与水準の参考資料として用いられることがあります。
新卒の場合の給与水準の目安
新卒採用の場合、以下の水準が一つの目安となります。
| 学歴 | 一般的な初任給の目安 |
|---|---|
| 大学院卒(修士) | 月額24万円〜28万円程度 |
| 大学卒 | 月額21万円〜25万円程度 |
| 専門学校卒(専門士) | 月額19万円〜23万円程度 |
注意: 上記はあくまで一般的な目安です。地域や業種により大きく異なります。重要なのは「同じ企業の日本人と比較して同等以上であるか」です。
地域差の考慮
東京と地方では物価や賃金水準に差があります。この点は審査においても考慮されます。
- 地方企業の場合、東京の大企業と同じ水準でなくても問題ありません
- 同一地域の同業他社と比較して著しく低くなければ認められます
- ただし、最低賃金を下回ることは絶対に認められません
手当・ボーナスの取扱い
報酬の判断において、基本給だけでなく各種手当やボーナスも考慮されます。
| 項目 | 報酬に含まれるか |
|---|---|
| 基本給 | 含まれる |
| 職務手当・役職手当 | 含まれる |
| 通勤手当 | 含まれない(実費弁償のため) |
| 住宅手当 | 含まれる場合がある |
| 賞与(ボーナス) | 年額に含めて判断 |
| 残業手当 | 含まれない(固定的でないため) |
ポイント: 報酬とは「基本給及び毎月固定的に支払われる手当」を指します。残業代は変動するため報酬に含まれません。
給与が低い場合の不許可リスク
以下のようなケースでは、報酬要件を満たさないと判断される可能性があります。
不許可となりやすいケース
- 月額15万円以下 — 大卒で技人国の業務に従事する場合、著しく低いと判断される可能性
- 同じ企業の日本人新卒より低い — 明確な差別的取扱いとして不許可
- 最低賃金を下回る計算になる — 法令違反のため確実に不許可
- 業界水準を大幅に下回る — 合理的な理由なく低い場合は不許可リスクあり
報酬が低い場合の対策
- 雇用契約書の見直し — 適正な報酬に修正してから申請
- 手当の設定 — 職務手当や資格手当を適正に設定
- 理由書での説明 — 地方の小規模企業で給与水準が低い場合は、地域相場を示して合理性を説明
年収ベースでの考え方
月額の基本給だけでなく、年収ベースで判断されることもあります。
年収の計算方法:
基本給 × 12ヶ月 + 賞与(見込額)+ 固定手当 × 12ヶ月
= 年収見込額
例えば、基本給が月額18万円でも、賞与が年間4ヶ月分支給される場合は年収288万円となり、業種・地域によっては認められる水準となることもあります。
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