金子英隆行政書士事務所
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特定技能の受入れ企業の義務|支援計画と届出のすべて

はじめに

特定技能1号の外国人を雇用する企業(受入れ機関)には、適正な雇用管理と外国人への支援に関する法令上の義務が課されています。これらの義務を怠ると、受入れ停止や罰則の対象となりますので、正しく理解しておくことが重要です。

【2026年10月10日更新】定期届出の頻度(令和7年4月1日から年1回)と、罰金の対象となる届出の範囲を訂正し、届出書類の作成を任せられる者についての説明を追記しました。

根拠: 出入国管理及び難民認定法第19条の18~第19条の21、特定技能基準省令

受入れ機関の基準

特定技能外国人を受け入れるためには、受入れ機関が以下の基準を満たす必要があります。

基準内容
欠格事由に該当しないこと関係法令による刑罰を受けていない、5年以内に出入国・労働関係法令違反がないなど
雇用契約の適正性日本人と同等以上の報酬、フルタイム、社会保険加入
支援体制の整備支援計画の策定・実施が可能な体制があること
届出義務の遵守各種届出を適時に行うこと

雇用契約に関する要件

特定技能雇用契約は、以下の条件を満たす必要があります。

  • 報酬額が日本人と同等以上であること
  • 所定労働時間が通常の労働者と同じであること(フルタイム)
  • 一時帰国を希望した場合に休暇を取得させること
  • 外国人が帰国旅費を負担できない場合、受入れ機関が負担すること
  • 健康保険・厚生年金・雇用保険・労災保険に加入させること

重要: 報酬の「同等以上」とは、同じ業務に従事する日本人従業員と比較して同等以上であることを意味します。賃金規定がある場合はそれに従い、ない場合は近隣同業種の賃金水準も参考にされます。

1号特定技能外国人支援計画の策定義務

特定技能1号の外国人を雇用する場合、受入れ機関は1号特定技能外国人支援計画を策定しなければなりません。支援計画には、法定の10項目の義務的支援を含める必要があります。

支援計画の10項目の詳細は、別記事「特定技能1号の支援計画|10項目の義務的支援を詳解」をご覧ください。

登録支援機関への委託

支援計画の全部又は一部を登録支援機関に委託することができます。特に、以下のような場合は登録支援機関への委託を検討されることをお勧めします。

  • 外国人の受入れが初めてで支援体制が整っていない場合
  • 外国人の母国語での対応が困難な場合
  • 支援責任者・支援担当者の選任が難しい場合

注意: 登録支援機関に委託した場合でも、受入れ機関が支援の最終的な責任を負います。

届出義務の一覧

受入れ機関には、以下の届出義務があります。届出を怠った場合は30万円以下の罰金の対象となります。

【2026年10月10日更新】30万円以下の罰金の対象は、すべての届出ではありません。特定技能雇用契約の変更・終了・新たな締結の届出と、受け入れている特定技能外国人の氏名・活動の内容などの届出をせず、又は虚偽の届出をした場合です(入管法第71条の4第1号)。それ以外の特定技能所属機関の届出をせず、又は虚偽の届出をした場合は、10万円以下の過料の対象です(同法第77条の2第1号)。

随時届出(事由が生じたとき)

届出届出時期
特定技能雇用契約に係る届出契約の変更・終了時
支援計画変更に係る届出計画を変更したとき
受入れ困難に係る届出受入れ継続が困難になったとき
出入国又は労働に関する法令違反に係る届出違反を知ったとき

定期届出(四半期ごと)

届出届出期限
受入れ状況に係る届出四半期の翌四半期の初日から14日以内
支援実施状況に係る届出(1号のみ)同上
活動状況に係る届出同上

【2026年10月10日更新】令和7年(2025年)4月1日施行の省令改正で、定期届出は四半期ごとから1年に1回に変わりました。現在は「受入れ・活動・支援実施状況に係る届出」として、4月1日から翌年3月31日までの1年分を、翌年度の4月1日から5月31日までに提出します(例:2025年4月〜2026年3月の分は、2026年4月1日〜5月31日に提出)。上の表は改正前の取扱いです。

【2026年10月10日更新】定期届出・随時届出の書類の作成を、受入れ企業の役職員以外に任せられるのは、行政書士と弁護士に限られます(行政書士法第1条の3・第19条第1項)。出入国在留管理庁のQ&Aも、行政書士・弁護士以外の者に届出書の作成を委任することは行政書士法等に抵触するおそれがあるとしています。そのため、支援を委託している登録支援機関であっても、行政書士・弁護士でない一般の登録支援機関は、受入れ企業の定期届出の書類の作成を代行できません。当事務所は行政書士として、定期届出・随時届出の書類の作成を代行できます。

届出先: 受入れ機関の所在地を管轄する地方出入国在留管理局

社会保険・労働保険の加入義務

特定技能外国人も日本人と同様に、以下の保険に加入する義務があります。

保険内容
健康保険適用事業所であれば加入必須
厚生年金保険適用事業所であれば加入必須
雇用保険週所定労働時間20時間以上で加入
労災保険全ての労働者が対象

違反時のペナルティ

受入れ機関が義務に違反した場合、以下のペナルティが科される可能性があります。

  • 届出義務違反: 30万円以下の罰金
  • 虚偽届出: 30万円以下の罰金
  • 不正行為: 受入れ停止(5年間)
  • 悪質な場合: 1年以下の懲役又は100万円以下の罰金

【2026年10月10日更新】上の「届出義務違反」「虚偽届出」の30万円以下の罰金は、特定技能雇用契約に関する届出と、受け入れている特定技能外国人の氏名・活動の内容などの届出が対象です(入管法第71条の4第1号)。それ以外の届出は、10万円以下の過料の対象です(同法第77条の2第1号)。また、上の「悪質な場合:1年以下の懲役又は100万円以下の罰金」は誤りでした。受入れ機関が出入国在留管理庁長官の改善命令に違反した場合は、6月以下の拘禁刑又は30万円以下の罰金です(同法第71条の3)。

参考: 出入国在留管理庁「特定技能制度について」 https://www.moj.go.jp/isa/applications/status/specifiedskilledworker.html


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