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家族滞在の在留期間更新|「扶養を受けること」の立証と扶養から外れそうなとき

家族滞在の在留期間更新|「扶養を受けること」の立証と扶養から外れそうなとき

家族滞在の在留期間更新は「そのまま出せば通る手続」と思われがちですが、審査で見られているのは、更新の時点でも「扶養を受ける配偶者又は子」であり続けているかという点です。本記事では、条文と出入国在留管理庁の公表資料に沿って、更新で見られるポイント、資格外活動(アルバイト)の週28時間の扱い、そして扶養から外れそうなときにどのような選択肢があるかを整理いたします。

参照元: e-Gov法令検索「出入国管理及び難民認定法」別表第一の四の表・第19条、「出入国管理及び難民認定法第七条第一項第二号の基準を定める省令」、同法施行規則第19条第5項/出入国在留管理庁「在留資格『家族滞在』」「在留資格の変更、在留期間の更新許可のガイドライン」(平成20年3月策定・最終改正令和8年〈2026年〉6月)

家族滞在は「扶養を受ける配偶者又は子」の在留資格

入管法別表第一の四の表は、家族滞在について次のように定めています。

一の表、二の表又は三の表の上欄の在留資格(外交、公用、特定技能(二の表の特定技能の項の下欄第一号に係るものに限る。)、技能実習及び短期滞在を除く。)をもつて在留する者又はこの表の留学の在留資格をもつて在留する者の扶養を受ける配偶者又は子として行う日常的な活動

さらに上陸基準省令(出入国管理及び難民認定法第七条第一項第二号の基準を定める省令)の家族滞在の項は、基準を「申請人が……扶養を受けて在留すること」と定めています。つまり家族滞在は、続柄だけでなく「扶養を受けている」という実態そのものが在留資格の内容になっています。ここが更新審査の軸です。

項目内容
対象となる家族配偶者又は子(親・兄弟姉妹は対象外)
扶養者になれない在留資格外交、公用、特定技能1号、技能実習、短期滞在
在留期間5年を超えない範囲内で法務大臣が個々に指定する期間
根拠入管法別表第一の四の表、上陸基準省令

海外にいるご家族を初めて呼び寄せる手続(在留資格認定証明書交付申請)については、技人国ビザ保有者の家族を呼ぶ方法で解説しておりますので、そちらをご覧ください。本記事は、すでに日本にいらっしゃる方の更新に絞ってご説明いたします。

更新で見られるポイント

在留期間の更新は、法務大臣が「適当と認めるに足りる相当の理由がある」と判断したときに限り許可されます(入管法第21条第3項)。出入国在留管理庁のガイドラインは、その判断における代表的な考慮要素を8項目挙げています。家族滞在の更新に引き直すと、次のように整理できます。

見られる点具体的に確認されること
在留資格該当性更新の時点でも扶養を受ける配偶者・子として生活しているか
上陸許可基準扶養者が基準省令に掲げる在留資格で在留しているか
現に有する在留資格に応じた活動資格外活動許可の範囲を超えて就労していないか
素行刑事処分歴、出入国在留管理行政上看過できない行為の有無
独立の生計公共の負担となっていないか、将来の生活の安定(世帯単位で判断)
納税義務等住民税・国民健康保険料等の高額・長期の未納がないか
届出義務住居地の届出、在留カード関係の届出等を履行しているか

注意: ガイドラインは「独立の生計を営むに足りる資産又は技能を有すること」について、世帯単位で認められれば足りますとしています。家族滞在の方ご本人に収入がないこと自体は問題ではなく、世帯として安定しているかが見られます。

申請時の窓口では社会保険の加入状況の確認も行われます。令和6年(2024年)12月2日に健康保険証の発行が廃止されたため、現在はマイナポータルの「資格情報」画面、「資格情報のお知らせ」又は「資格確認書」の提示が求められています。ガイドラインは、これらを提示できないことのみで不許可とすることはない旨も明記しています。

扶養者側の在留状況が更新の土台になりますので、扶養者ご本人の更新準備も同時に進めてください。技人国ビザの更新で不許可にならないためのチェックリストが参考になります。

資格外活動(アルバイト)の週28時間

入管法第19条第1項第2号は、別表第一の三の表及び四の表の在留資格(家族滞在を含む)で在留する方について、「収入を伴う事業を運営する活動又は報酬を受ける活動」を行ってはならないと定めています。技術・人文知識・国際業務などと違い、在留資格に属さない活動だけでなく、収入を伴う活動そのものが原則として禁止されている点にご注意ください。

例外は同条第2項の資格外活動許可です。許可の内容は施行規則第19条第5項第1号で定められています。

区分内容
包括許可1週について28時間以内の収入を伴う事業の運営・報酬を受ける活動。必要書類は申請書のみ
除外される活動風俗営業、店舗型性風俗特殊営業、特定遊興飲食店営業が営まれている営業所での活動等
個別許可機関の名称・業務内容等を定めて個々に許可。活動期間が在留期間の過半を超えないことが条件
根拠入管法第19条、同法施行規則第19条第5項第1号

重要: 週28時間を超えて働いていた場合、更新審査では消極的な要素として評価されます。ガイドラインは「現に有する在留資格に応じた活動を行っていたこと」を考慮要素に挙げており、さらに入管法第22条の4第1項第5号・第6号は、在留資格に応じた活動を行わず他の活動を行っている場合や、当該活動を継続して3か月以上行っていない場合を在留資格の取消事由としています。

28時間は「1週について」の上限です。掛け持ちをしている場合は勤務先ごとではなく合計で判断されますので、複数のアルバイトをされている方は特にご注意ください。

扶養から外れそうなときの選択肢

ご相談が多いのがこの場面です。まず、事情が変わったからといって直ちに不許可になるわけではない、という点を押さえてください。ガイドラインには次のように書かれています。

ただし、申請人の年齢や扶養を受けていること等の要件については、年齢を重ねたり、扶養を受ける状況が消滅する等、我が国入国後の事情の変更により、適合しなくなることがありますが、このことにより直ちに在留期間更新が不許可となるものではありません

もっとも、実態として扶養を受けていない状態が続くのであれば、家族滞在を続けるより在留資格の変更を検討すべき局面です。

状況検討する方向
本人の収入が増え、扶養を受けているとは言いにくくなった就労できる在留資格への変更。学歴・職務内容が要件に合うかを先に確認
子が成人した/学校を卒業して就職する技術・人文知識・国際業務等への変更、又は下記の定住者・特定活動
離婚・死別した家族滞在の要件を失う。他の在留資格への変更、又は出国の検討。届出も必要
扶養者が退職・帰国する扶養者側の在留資格の見直しが先。家族滞在はその結論に連動する

留学から就労系への変更と考え方が共通する部分が多いため、留学から技人国への変更手続きもあわせてご確認ください。学歴と職務内容の関連性が最大の論点になります。

日本の高校を卒業して就職する場合

出入国在留管理庁は、家族滞在の在留資格で在留し、日本の高等学校を卒業した後に就労を希望する方について、「定住者」又は「特定活動」への変更を認める取扱いを示しています。

変更先主な要件
定住者我が国の義務教育を修了、我が国の高等学校を卒業又は卒業見込み、入国後引き続き家族滞在で在留、入国時に18歳未満、就労先が決定(内定を含む)、公的義務を履行
特定活動我が国の高等学校を卒業又は卒業見込み、扶養者が身元保証人として在留、入国後引き続き家族滞在で在留、入国時に18歳未満、就労先が決定(内定を含む)、公的義務を履行

高等学校に編入した場合は、日本語能力試験N2程度の日本語能力が必要とされています。義務教育を修了しているかどうかで、定住者に進めるかが分かれる点が実務上のポイントです。

扶養者が転職・退職した場合の届出

届出義務は、原則として扶養者ご本人にあります。

誰が何を期限
扶養者(技人国・研究・技能等)契約機関の名称・所在地の変更、消滅、契約の終了、新たな契約の締結事由発生から14日以内
扶養者(経営・管理・教育・留学等)活動機関の名称・所在地の変更、消滅、離脱・移籍事由発生から14日以内
家族滞在(配偶者)配偶者との離婚又は死別事由発生から14日以内

根拠は入管法第19条の16です。転職に伴う手続の全体像は技人国ビザで転職する場合の手続きで解説しています。届出の不履行はガイドラインの第8項目に直結しますので、後回しにしないでください。

必要書類の考え方

出入国在留管理庁が公表している「家族滞在」に係る提出書類一覧(在留期間更新許可申請用)は、次の構成になっています。

No.書類
1・2在留期間更新許可申請書、写真(縦4cm×横3cm・申請前6か月以内)
3パスポート及び在留カード(提示)
4申請人と扶養者との身分関係を証する文書(戸籍謄本、婚姻届受理証明書、結婚証明書の写し、出生証明書の写し等)
5扶養者の在留カード又は旅券の写し
6扶養者の職業及び収入を証する文書

6番は扶養者の状況で内容が変わります。扶養者が収入を伴う事業の運営や報酬を受ける活動をしている場合は、在職証明書又は営業許可書の写し等と、住民税の課税(又は非課税)証明書及び納税証明書(1年間の総所得及び納税状況が記載されたもの)です。留学生など、それ以外の活動をしている扶養者の場合は、扶養者名義の預金残高証明書や、給付金額・給付期間を明示した奨学金給付に関する証明書などで、申請人の生活費用を支弁できることを示します。住民票は世帯全員が記載されたものを用意すると、同居の実態も併せて示せます。

なお、出入国在留管理庁の公表資料に、家族滞在の扶養について「年収いくら以上」という数値基準は示されていません。 ガイドラインが示しているのは、公共の負担となっておらず将来において安定した生活が見込まれること(世帯単位で足りる)という考え方であり、個別の事情に応じて判断されます。インターネット上には目安として金額を挙げる情報もありますが公的な基準ではなく、それを満たしたから安心・下回ったから不許可と考えるのは適切ではありません。世帯の収入と支出、貯蓄、住居、家族構成を踏まえ、生活が成り立っていることを資料で示すことが本筋です。

実務でどう備えるか

  • 6か月以上の在留期間をお持ちの方は、在留期間の満了するおおむね3か月前から申請できます。扶養者の課税・納税証明書は年度の切り替わりがありますので、取得時期を確認してください
  • 資格外活動の時間は、給与明細やシフト表で後から検証できます。年間を通じて週28時間以内に収まっているかをご自身で確認しておいてください
  • 住民税・国民健康保険料に未納があれば、申請前に納付し、領収書を残してください
  • 扶養から外れる見込みが立った時点で、次の在留資格の要件(学歴・職務内容・報酬)を先に確認しておくと、選択肢が狭まりません
  • 将来的に家族そろって永住を目指す場合の組み立ては、家族で永住申請をご覧ください

在留期間の満了日までに更新申請をしていれば、処分がされる時又は在留期間の満了日から2か月が経過する日のいずれか早い時まで在留が認められます(特例期間)。ただしこれは安全弁であり、余裕として当てにするものではありません。

まとめ

家族滞在の更新は、続柄の証明ではなく「扶養を受けている実態」の証明です。扶養者の在留状況・収入・納税・社会保険、ご家族の同居と生計の一体性、そしてご本人の資格外活動の時間。この3点が揃っていれば説明はまとまります。事情が変わった場合も直ちに不許可になるわけではなく、早めに次の在留資格を検討することで選べる道は残ります。

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よくあるご質問

家族滞在の更新で、扶養者の年収がいくら必要という基準はありますか。

出入国在留管理庁が公表している資料の中に、家族滞在の扶養に関して「年収いくら以上」という数値基準は示されていません。ガイドラインでは、日常生活において公共の負担となっておらず、将来において安定した生活が見込まれること(世帯単位で認められれば足ります)とされており、個別の事情に応じて判断されます。

家族滞在でアルバイトは何時間までできますか。

資格外活動許可(包括許可)を受けた場合で、1週について28時間以内です。出入国管理及び難民認定法施行規則第19条第5項第1号に定められています。風俗営業等が営まれている営業所での活動などは除かれます。許可を受けずに働くことはできません。

子どもが成人したら家族滞在は更新できなくなりますか。

年齢だけで一律に不許可となるわけではありません。ガイドラインには、年齢を重ねたり扶養を受ける状況が消滅するなど入国後の事情変更により要件に適合しなくなることがあるが、このことにより直ちに在留期間更新が不許可となるものではない、と明記されています。ただし就職してフルタイムで働くのであれば、就労できる在留資格への変更が必要です。

扶養者が転職した場合、家族滞在の本人も届出が必要ですか。

届出義務があるのは扶養者本人です。技術・人文知識・国際業務などの在留資格では、契約機関の名称・所在地の変更、契約の終了、新たな契約の締結を14日以内に届け出る必要があります(入管法第19条の16)。家族滞在の方については、配偶者と離婚・死別したときに14日以内の届出義務があります。

更新申請中に在留期間が切れてしまいます。

在留期間の満了日までに更新申請をしていれば、処分がされる時、または在留期間の満了日から2か月が経過する日のいずれか早い時までは、引き続き在留することができます(特例期間)。ただしこれは安全弁ですので、6か月以上の在留期間をお持ちの方は満了のおおむね3か月前から申請できることを踏まえ、早めにご準備ください。

#家族滞在 #在留期間更新 #扶養 #資格外活動 #在留資格変更

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