金子英隆行政書士事務所 ロゴ

行政書士

金子英隆行政書士事務所

初回60分無料
在留資格 金子英隆

【2026年4月から】留学生アルバイトの把握が強化|週28時間の管理と日本語教育機関の新たな確認義務

【2026年4月から】留学生アルバイトの把握が強化|週28時間の管理と日本語教育機関の新たな確認義務

出入国在留管理庁は令和8年(2026年)4月10日付けで、日本語教育機関に対し、在籍する留学生の資格外活動(アルバイト)の状況を3か月に1度確認し、記録を保存し、必要な場合は入管に報告することを求める運用を開始いたしました。本記事では、資格外活動許可の基本、今回の運用強化の内容、週28時間を超えた場合の法的な効果、そして留学生ご本人・日本語教育機関・アルバイト先企業のそれぞれが備えるべきことを、一次情報にもとづいて整理いたします。

参照元: 出入国在留管理庁「日本語教育機関に入学する者に係る運用の一部見直しについて」/同 概要資料「在留資格『留学』に係る適正化について」/同 Q&A(令和8年5月19日現在)/同「『留学』の在留資格に係る資格外活動許可について」/e-Gov法令検索「出入国管理及び難民認定法」「出入国管理及び難民認定法施行規則」

資格外活動許可とは(入管法第19条)

在留資格「留学」は、日本の教育機関で教育を受ける活動を行うための在留資格です。入管法第19条第1項は、別表第一の在留資格をもって在留する方が、その在留資格に属しない収入を伴う事業を運営する活動又は報酬を受ける活動を行うことを、原則として禁じています。

そのうえで同条第2項は、本来の活動の遂行を阻害しない範囲内であれば、申請により資格外活動を許可することができると定めています。この許可には条件を付すことができ、条件に違反した場合などには、同条第3項により許可自体を取り消すことができるとされています。

留学生のアルバイトは、この第19条第2項の許可(資格外活動許可)を受けて行うものです。在留資格の全体像については在留資格とは?基本を押さえようもあわせてご覧ください。

包括許可と個別許可の違い

資格外活動許可には、勤務先を指定せずに包括的に認める「包括許可」と、勤務先や業務内容を個々に指定する「個別許可」の2種類があります。根拠は出入国管理及び難民認定法施行規則第19条第5項です。出入国在留管理庁は、包括許可と個別許可の両方を受けることも、すでにどちらかを持っている方が追加でもう一方を申請することも可能としています。

包括許可個別許可
根拠施行規則第19条第5項第1号施行規則第19条第5項第3号
時間の上限1週について28時間以内(教育機関が学則で定める長期休業期間にあっては1日について8時間以内)地方出入国在留管理局長が個々に指定
勤務先の指定なし(勤務先を指定しない)あり(機関の名称・所在地・業務内容等を指定)
除外される活動風俗営業、店舗型性風俗特殊営業、特定遊興飲食店営業が営まれている営業所での活動等同左(資格外活動許可の一般原則に適合することが必要)
主な対象例飲食店・小売店等での一般的なアルバイト卒業年次の学生のインターンシップ、語学教師・通訳・家庭教師、起業準備活動、稼働時間を客観的に確認しにくい業務委託・請負等

包括許可については、施行規則上、留学の在留資格をもって在留する方は「教育機関に在籍している間に行うものに限る」とされている点にご注意ください。卒業・修了後や退学・除籍後は、在籍していない以上、包括許可によるアルバイトはできません。

なお、就労系の在留資格における複数就労の考え方は資格外活動とは別の枠組みです。詳しくは技人国ビザで副業・兼業はできる?をご覧ください。

2026年4月から強化された「資格外活動の把握」

「外国人の受入れ・秩序ある共生のための総合的対応策」(令和8年1月23日 外国人の受入れ・秩序ある共生社会実現に関する関係閣僚会議決定)を踏まえ、出入国在留管理庁は令和8年4月10日付けで、以下の内容を日本語教育機関に周知し、運用面での強化を実施いたしました。

留学生を受け入れる教育機関については、出入国管理及び難民認定法第7条第1項第2号の基準を定める省令第2号の2に基づき、留学生の資格外活動の遵守状況を適正に管理する体制を整備していることが求められています。(出入国在留管理庁「日本語教育機関に入学する者に係る運用の一部見直しについて」第2)

日本語教育機関に求められる具体的な対応は、次の4点です。

求められる対応内容
(1)3か月に1度の確認任意の方法により、在籍する留学生から「資格外活動の許可の有無」「資格外活動を行う本邦の公私の機関の名称(複数の場合はその全て)」「資格外活動の具体的内容」「毎日の資格外活動時間」を確認する
(2)違反時の指導許可の内容に違反する状況が認められる場合は適切に指導し、直ちに状況を改善させ、改善されたことを改めて確認する
(3)記録の保存確認結果および指導に係る記録を適切に保存する(同庁が参考様式「資格外活動の把握・指導状況一覧表」を公表)
(4)入管への報告「雇用主が週28時間を超える勤務を強いている」との報告があった場合や、指導しても改善が見られない留学生がいる場合等は、把握した情報を最寄りの出入国在留管理官署に報告する

あわせて同庁は、外国人雇用状況届出を活用して複数の稼働先で資格外活動を行っている留学生を特定し、教育機関に情報提供するとしています。概要資料には「入管庁から情報提供する、複数ワークに従事する者については、とりわけ慎重な確認を行うこと」と明記されており、報告を受けた入管庁は内容に応じて調査し、在留審査に反映させるとされています。

Q&Aでは実務上重要な点が示されています。確認方法は学生からの自己申告でも差し支えないものの、同庁から求めがあれば就労場所・就労時間・就労内容等の把握方法や指導について具体的に説明する必要があります(Q7)。時間の数え方については「日々の資格外活動時間を把握し、どの曜日から起算しても週28時間以内に収まっていることの確認を行っていただくようお願いします」とされており(Q9)、月単位のざっくりした集計では足りません。確認を怠った場合には上陸基準省令第2号の2に抵触する可能性があるとされています(Q8)。

週28時間を超えて働くとどうなるか

超過就労の効果は、程度に応じて段階的に定められています。条文ごとに整理すると次のとおりです。

場面根拠条文内容
罰則(一般)入管法第73条第1号第19条第1項に違反して収入を伴う事業を運営する活動又は報酬を受ける活動を行った者は、1年以下の拘禁刑若しくは200万円以下の罰金、又はこれを併科
罰則(専ら稼働)入管法第70条第1項第4号資格外活動を「専ら行つていると明らかに認められる者」は、3年以下の拘禁刑若しくは300万円以下の罰金、又はこれを併科
退去強制入管法第24条第4号イ資格外活動を「専ら行つていると明らかに認められる者」は退去強制の対象
退去強制入管法第24条第4号ヘ第73条の罪により拘禁刑に処せられた者は退去強制の対象
在留資格の取消し入管法第22条の4第1項第5号在留資格に応じた活動を行っておらず、かつ他の活動を行い又は行おうとして在留していること(正当な理由がある場合を除く)
資格外活動許可の取消し入管法第19条第3項付された条件に違反した場合その他引き続き許可を与えておくことが適当でないと認める場合、許可を取り消すことができる
更新・変更の審査変更・更新許可のガイドライン「現に有する在留資格に応じた活動を行っていたこと」「素行が不良でないこと」が考慮要素とされ、消極的に評価されうる

在留期間の更新および在留資格の変更は、法務大臣が「適当と認めるに足りる相当の理由」があるときに限り許可されるもので、その判断は裁量に委ねられています。出入国在留管理庁の「在留資格の変更、在留期間の更新許可のガイドライン」(平成20年3月策定、最終改正令和8年6月)は、考慮要素として「3 現に有する在留資格に応じた活動を行っていたこと」「4 素行が不良でないこと」などを挙げており、同庁が公表する不許可事例にも、資格外活動許可を受けずに稼働していたことを理由に在留資格変更が認められなかった例が掲載されています。留学から就労系への変更を予定している方にはとりわけ重要です。手続の流れは留学から技人国への変更手続き、取消制度そのものは在留資格取消リスクと予防策をご覧ください。

いつから変わるのか

今回の見直しは、資格外活動の把握と日本語能力の確認という2つの柱からなり、適用時期が異なります。

項目適用時期
資格外活動の把握・指導の強化令和8年(2026年)4月運用開始(令和8年4月10日付けで日本語教育機関に周知)
日本語能力の確認の厳格化(在留資格変更・在留期間更新)令和8年(2026年)7月1日以降の申請から
日本語能力の確認の厳格化(在留資格認定証明書交付申請)令和8年(2026年)10月以降に入学を予定する学生に係る申請から

日本語能力の確認については、150時間以上の日本語学習歴による立証が使えなくなり、試験の証明書又は面接による確認が必須となります。こちらは別途、留学ビザの日本語能力確認が厳格化で詳しく解説しておりますので、そちらをご参照ください。

実務でどう備えるか

留学生ご本人が備えること

第一に、勤務時間の自己管理です。「どの曜日から起算しても週28時間以内」と明示されている以上、月末にまとめて集計する方法では不十分です。シフトが確定した段階で日ごとに記録し、直近7日間の合計が常に28時間以内に収まっているかを確認する習慣をつけてください。

第二に、複数のアルバイト先の合算です。掛け持ちをしている場合、それぞれの勤務先では28時間に達していなくても、合計で超過していれば違反となります。教育機関の確認事項にも「資格外活動先が複数の場合はその全て」と明記されています。

第三に、長期休業期間の取扱いです。1日8時間以内が認められるのは、在籍する教育機関が学則で定める長期休業期間にあるときに限られます。学校が実際に授業を行っていない日であっても、学則上の長期休業期間でなければ通常どおり週28時間以内です。

第四に、在籍期間との関係です。包括許可によるアルバイトは教育機関に在籍している間に行うものに限られます。卒業後に就職先が決まっていない場合の在留の組み立ては、早めにご相談ください。

日本語教育機関が備えること

3か月に1度という頻度を、学年暦のなかに定例業務として組み込むことをお勧めいたします。方法は任意ですが、入管から求めがあれば把握方法を具体的に説明できる体制が必要ですので、同庁が公表している参考様式「資格外活動の把握・指導状況一覧表」の項目を満たす形で記録を残すのが確実です。

確認するのは「毎日の」活動時間です。学生の自己申告による場合でも、勤務先の名称をすべて挙げてもらい、日別の時間を書いてもらう様式にしておくと、後から週単位の確認ができます。違反が判明した場合は、指導した事実と改善を再確認した事実の両方を記録に残してください。指導しても改善が見られない場合や、雇用主側に問題があると疑われる場合は、最寄りの出入国在留管理官署への報告が求められます。

アルバイト先の企業が注意すべきこと

採用時には、在留カードの表面で在留資格と在留期間を、資格外活動許可の記載欄でその有無と条件を確認してください。厚生労働省は、偽変造を見分けるために「在留カード等読取アプリケーション」の活用を呼びかけています。

また、外国人労働者の雇入れおよび離職の際には、労働施策の総合的な推進並びに労働者の雇用の安定及び職業生活の充実等に関する法律に基づき、すべての事業主にハローワークへの「外国人雇用状況の届出」が義務づけられています。届出を怠ったり虚偽の届出を行った場合は30万円以下の罰金の対象です。今回の運用強化では、この届出データが複数就労の留学生を特定する手がかりとして活用されます。

そして最も重いのが不法就労助長罪です。入管法第73条の2は、事業活動に関し外国人に不法就労活動をさせた者を、3年以下の拘禁刑若しくは300万円以下の罰金、又はこれを併科すると定めています。同条第2項は、当該外国人が資格外活動許可を受けていないことなどを知らなかったことを理由に処罰を免れることはできない(過失のないときを除く)としています。「本人が大丈夫だと言っていた」は通用しないとお考えください。

まとめ

令和8年4月から、日本語教育機関には3か月に1度、在籍する留学生の資格外活動の許可の有無・勤務先名・活動内容・毎日の時間を確認し、記録を保存し、必要に応じて入管に報告することが求められています。週28時間という上限は従来どおりですが、その遵守状況が定期的に可視化され、在留審査に反映される仕組みが整ったという点が今回の本質です。

留学生ご本人にとっては、日々の勤務時間の記録が、そのまま将来の在留期間更新や就労系在留資格への変更を支える資料になります。三者それぞれの立場で、いま一度ご確認いただくことをお勧めいたします。

当事務所のサポート

留学生の資格外活動許可、在留期間更新、就労系在留資格への変更に関するご相談は、金子英隆行政書士事務所にお任せください。

  • 許可率98%の実績
  • 対応言語: 日本語・中国語・ベトナム語・英語
  • 初回相談無料
  • 千葉・東京を中心に全国対応(オンライン相談可)

お問い合わせはこちら

よくあるご質問

アルバイト先が2か所あります。週28時間はそれぞれで数えてよいのですか。

いいえ。資格外活動の包括許可は「1週について28時間以内」という条件が付されるもので、すべての勤務先の時間を合算して判断します。出入国在留管理庁のQ&Aでも、日々の資格外活動時間を把握し、どの曜日から起算しても週28時間以内に収まっていることを確認するよう求められています。日本語教育機関の確認事項にも「資格外活動先が複数の場合はその全て」と明記されています。

学校の長期休業期間中は何時間まで働けますか。

在留資格「留学」の方は、在籍する教育機関が学則で定める長期休業期間にあるときは、1日について8時間以内まで認められます(出入国管理及び難民認定法施行規則第19条第5項第1号)。学則で定める期間であることが前提ですので、ご自身の学校の学年暦をご確認ください。

日本語教育機関は3か月に1度、どのような方法で確認するのですか。

「任意の方法」とされており、出入国在留管理庁のQ&Aでは学生からの自己申告によって把握することも差し支えないとされています。ただし同庁から求めがあれば、就労場所・就労時間・就労内容等の把握方法や指導の内容を具体的に説明する必要があるとされています。

週28時間を超えて働いてしまうと、必ず退去強制になりますか。

必ずしもそうではありません。入管法第24条第4号イの退去強制事由や第70条第1項第4号の罰則は、資格外活動を「専ら行つていると明らかに認められる者」を対象としています。もっとも、超過就労そのものが入管法第73条の罰則の対象となりうるほか、在留期間更新・在留資格変更の審査で消極的な要素として評価されますので、軽く考えるべきではありません。

アルバイトを雇う会社は何を確認すればよいですか。

在留カードの表面で在留資格と在留期間を、裏面(および記載欄)で資格外活動許可の有無と条件を確認してください。許可なく、または許可の範囲を超えて就労させた場合、事業主が入管法第73条の2の不法就労助長罪に問われる可能性があり、知らなかったことを理由に処罰を免れることはできません(過失のないときを除く)。

#留学 #資格外活動 #アルバイト #日本語教育機関 #2026年改正

関連する記事

在留資格

【2026年7月から】留学ビザの日本語能力確認が厳格化|150時間の学習歴では足りません

出入国在留管理庁が在留資格「留学」の運用を見直し、日本語教育機関に入学する方の日本語能力は試験の証明書又は面接での確認が必須になります。適用時期・対象試験・例外・実務対応を一次情報にもとづき解説します。

在留資格

家族滞在の在留期間更新|「扶養を受けること」の立証と扶養から外れそうなとき

家族滞在の在留期間更新で審査されるポイントを条文から解説。扶養関係の立証、資格外活動の週28時間、子の成人・就職・離婚など扶養から外れそうなときの選択肢まで行政書士が整理します。

在留資格

【2026年改正】在留手続の手数料引き上げ|上限10万円・永住30万円の意味

令和8年5月29日成立の改正入管法で、在留資格変更・在留期間更新の手数料の上限が10万円、永住許可が30万円になりました。実額は政令で定められる予定です。現行手数料との対比と施行時期を解説します。

在留資格

特定在留カードとは|在留カードとマイナンバーカードの一体化(2026年6月14日運用開始)

2026年6月14日に運用が始まった特定在留カードを解説。在留カードとマイナンバーカードの一体化、取得は任意である点、オンライン申請非対応、交付まで10日長い点、有効期間の落とし穴まで整理します。