外国人を雇ったあとも、手続は続きます。入管、国土交通省、ハローワーク、年金事務所、労働基準監督署、税務署、市区町村と届け先が分かれ、期限もばらばらです。「どこに何を出したか分からなくなった」「担当者が辞めて引き継げなかった」というご相談も少なくありません。本記事では、外国人を雇った建設会社が押さえておきたい手続を「いつ・どこへ・何を」の一覧にまとめ、誰が担当すれば漏れを防げるかを整理いたします。
参照元: 出入国在留管理庁「令和7年4月1日施行の省令改正について」/同「特定技能外国人受入れに関する運用要領」(令和8年8月)/同「特定技能外国人の受入れ・活動・支援実施状況に係る届出(定期届出)作成要領」/法務省・国土交通省「特定の分野に係る特定技能外国人受入れに関する運用要領-建設分野の基準について-」/国土交通省「申請の手引き、様式、システム操作方法【特定技能制度(建設分野)】」/同「許可の要件」/同「社会保険の加入に関する下請指導ガイドライン」/日本年金機構「従業員を採用したとき」「外国人従業員を雇用したときの手続き」「厚生年金保険料等の納付」「定時決定(算定基礎届)」/厚生労働省「労働保険の年度更新とは」「外国人雇用状況の届出について」/国税庁「No.2505 源泉所得税及び復興特別所得税の納付期限と納期の特例」「国外居住親族に係る扶養控除等Q&A」「法定調書の提出期限」/千葉市「特別徴収にかかる手続きについて」/出入国在留管理庁「特定技能所属機関からの随時届出に関連してお問い合わせの多い事項について(Q&A)」(令和7年6月)/e-Gov法令検索「行政書士法」第1条の3・第19条、「出入国管理及び難民認定法」第19条の18・第71条の4・第77条の2
建設会社のお悩みは、ワンストップで。 外国人を雇った後の届出は、入管・国土交通省・ハローワーク・年金事務所・税務署・市区町村に分かれます。受入れ企業が出す特定技能の届出書類は、行政書士である当事務所が作成を代行できます。労務・社会保険・税・法律のお悩みも、提携の専門家と連携して当事務所の窓口でお受けします。
雇った後の手続きは、届け先が7つに分かれる
まず全体像です。外国人を雇った後の手続は、大きく次の7つの届け先に分かれます。右の列は、当事務所にご依頼いただいた場合の担当です。
| 届け先 | 主な手続 | 担当 |
|---|---|---|
| 出入国在留管理庁(入管) | 特定技能の随時届出・定期届出、在留期間の更新 | 当事務所 |
| 国土交通省 | 建設特定技能受入計画の変更、受入報告・退職報告 | 当事務所 |
| ハローワーク | 雇用保険の加入・喪失(外国人雇用状況の届出を兼ねる) | 提携の社会保険労務士 |
| 年金事務所 | 健康保険・厚生年金保険の加入・喪失、算定基礎届 | 提携の社会保険労務士 |
| 労働局・労働基準監督署 | 労働保険の年度更新 | 提携の社会保険労務士 |
| 税務署 | 源泉所得税の納付、年末調整、法定調書、決算・申告 | 会社(納付)・提携の税理士 |
| 市区町村 | 住民税の特別徴収、給与支払報告書、協力確認書 | 会社・提携の税理士・当事務所 |
これらの手続に出てくる数字は、すべて毎月の給与と帳簿から生まれます。帳簿をつける記帳代行は当事務所が行います。
なお、特定技能以外の在留資格(技術・人文知識・国際業務など)で雇っている場合、ハローワークへ外国人雇用状況の届出をしていれば、会社から入管への届出は原則として不要です。一方、本人には14日以内に入管へ届け出る義務があります。この仕組みは外国人を雇う会社の届出義務カレンダーで条文とあわせて解説しております。
雇い入れたときの手続き
特定技能1号で建設の技能者を雇い入れた場合の主な手続です。
| いつ | どこへ | 何を | 担当 |
|---|---|---|---|
| 在留資格の申請前(初めて特定技能外国人を受け入れるとき) | 事業所と住居のある市区町村 | 協力確認書 | 当事務所 |
| 入社から5日以内 | 年金事務所 | 健康保険・厚生年金保険の被保険者資格取得届。マイナンバーと基礎年金番号が結びついていない方などは、ローマ字氏名届もあわせて提出 | 提携の社会保険労務士 |
| 入社の翌月10日まで | ハローワーク | 雇用保険の被保険者資格取得届(外国人雇用状況の届出を兼ねる) | 提携の社会保険労務士 |
| 住居が決まってから14日以内 | 市区町村 | 本人による住居地の届出 | 本人(必要に応じて当事務所が登録支援機関として同行) |
| 受入れ後、原則1か月以内 | 国土交通省 | 1号特定技能外国人の受入報告。海外から来た人は、CCUSの技能者IDが分かる書類も | 当事務所(CCUSの技能者登録の代行も) |
| 最初の給与まで | 会社内 | 扶養控除等申告書を受け取り、源泉徴収の準備 | 会社・提携の税理士 |
| 受入れ後おおむね3〜6か月 | 国際建設技能振興機構(FITS) | 受入れ後講習を受けさせる(出勤日として扱う) | 会社 |
雇用保険の取得届の期限や、被保険者にならない方の届出の方法は、外国人を雇う会社の届出義務カレンダーをご覧ください。採用までの流れは建設業の外国人採用|人材探しから在留手続までワンストップで進める流れにまとめています。
毎月・毎年の手続き
| いつ | どこへ | 何を | 担当 |
|---|---|---|---|
| 毎月(給与を払った月の翌月10日まで) | 税務署 | 源泉所得税の納付。給与の支給人員が常時10人未満なら、半年分をまとめて7月10日と翌年1月20日に納める特例あり | 会社(提携の税理士がサポート) |
| 毎月(天引きした月の翌月10日まで) | 市区町村 | 住民税の特別徴収分の納入 | 会社 |
| 毎月(翌月末日まで) | 日本年金機構(口座振替または納入告知書) | 健康保険・厚生年金保険の保険料の納付 | 会社 |
| 毎月 | ― | 給与・保険料・税の支払いを帳簿につける | 当事務所(記帳代行) |
| 4月1日〜5月31日 | 入管 | 特定技能の定期届出(前年度分) | 当事務所 |
| 5月末ごろ | 市区町村から届く | 住民税の特別徴収税額の通知。6月の給与から新しい額で天引き | 会社 |
| 6月1日〜7月10日 | 労働局・労働基準監督署など | 労働保険の年度更新 | 提携の社会保険労務士 |
| 7月1日〜7月10日 | 年金事務所 | 算定基礎届 | 提携の社会保険労務士 |
| 12月〜1月 | 会社内 | 年末調整 | 会社(提携の税理士がサポート) |
| 1月31日まで | 市区町村・税務署 | 給与支払報告書、源泉徴収票などの法定調書 | 提携の税理士 |
| 決算期 | 税務署など | 決算・申告 | 提携の税理士 |
期限の日が土日・祝日に当たる場合は、翌日以降になることがあります。各機関の案内でご確認ください。
変わったとき・辞めるときの手続き
| こんなとき | どこへ・何を・期限 | 担当 |
|---|---|---|
| 在留期間の満了が近づいた | 入管へ在留期間更新許可申請(満了のおおむね3か月前から) | 当事務所 |
| 雇用契約を変えた(基本給の減額、就業場所や業務区分、所定労働時間の変更など) | 入管へ雇用契約変更の届出(14日以内)。国土交通省の受入計画の変更申請または変更届出が必要な場合も | 当事務所 |
| 支援計画や登録支援機関との契約を変えた | 入管へ届出(14日以内) | 当事務所 |
| 病気・けが・育児休業などで1か月以上働けない、行方が分からない | 入管へ受入れ困難の届出(14日以内) | 当事務所 |
| 退職した | 入管へ雇用契約終了の届出(14日以内)、国土交通省へ退職報告(速やかに)、ハローワークへ雇用保険の資格喪失届(離職の翌日から10日以内)、年金事務所へ資格喪失届(5日以内)、市区町村へ給与所得者異動届出書(翌月10日まで) | 当事務所・提携の社会保険労務士・会社 |
退職のときは、届け先が一度に5つになります。入管への届出は、本人が退職した後や帰国した後でも、特定技能で在留していた間に生じた事由であれば必要です。本人にも、雇用契約の終了を14日以内に入管へ届け出る義務があることを伝えてください。
特定技能の届出をしなかったり、虚偽の届出をしたりした場合の罰則も確認しておきましょう。雇用契約の変更・終了・新たな締結の届出と、定期届出のうち受け入れている特定技能外国人の氏名・活動の内容などの届出は、30万円以下の罰金の対象です(入管法第71条の4第1号)。それ以外の特定技能所属機関の届出は、10万円以下の過料の対象です(同法第77条の2第1号)。
建設分野の報酬は「月給制」が決まり
建設分野の特定技能には、給与の払い方にも決まりがあります。法務省・国土交通省の運用要領(建設分野)から要点を挙げます。
- 同等以上:同等の技能を持つ日本人の技能者と同等以上の報酬を、安定的に支払い、技能の習熟に応じて昇給します。
- 月給制:「1か月単位で算定される額」(基本給、毎月固定的に支払われる手当、残業代の合計)で支払います。社内の他の職員が月給制でなくても、特定技能外国人には月給制が求められます。
- 天候による休み:本人の都合による欠勤(年次有給休暇を除く)の分を基本給から差し引くことは差し支えありません。しかし、会社の都合や天候を理由とした現場作業の中止を欠勤として扱うことは認められません。使用者の責に帰すべき事由による休業は、労働基準法に基づき平均賃金の60%以上を支払う必要があります。
- 支払方法:預貯金口座への振込み(または厚生労働大臣の指定を受けた資金移動業者の口座への支払い)とし、重要事項事前説明の段階で本人の同意を得ます。
受入計画に書いた報酬などを変える場合は、国土交通省への変更申請または変更届出が必要です。基本給を下げるなど雇用契約を変えた場合は、入管への届出も必要になります。月給の計算と勤怠の管理は、社会保険労務士の専門分野です。上乗せ基準の全体は建設分野の特定技能|CCUS登録とJAC加入の特有要件をご覧ください。
特定技能の定期届出は年1回に
特定技能所属機関(特定技能外国人を雇っている会社)の定期届出は、令和7年(2025年)4月1日施行の省令改正で、四半期ごとから1年に1回に変わりました。現在の届出の名前は「受入れ・活動・支援実施状況に係る届出」です。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 対象期間 | 4月1日〜翌年3月31日(受入れが1日でもあった年度) |
| 提出期間 | 翌年度の4月1日〜5月31日 |
| 例 | 2025年4月〜2026年3月の分は、2026年4月1日〜5月31日に提出 |
| 提出先 | 電子届出システム、または本店の所在地を管轄する地方出入国在留管理局 |
| 主な内容 | 受入れの状況、報酬の支払状況(毎月決まって支払う給与、賞与、控除額、2年以上続けて雇っている場合は昇給率)、支援の実施状況 |
| 主な添付書類 | 労働保険料・社会保険料の納付に係る資料、国税の納税証明書、住民税の納付に係る資料など(一定の基準を満たす機関は省略可) |
出入国在留管理庁の作成要領は、定期届出が出されない場合や、届出の書類から基準を満たしていないことが分かり改善されない場合は、受入れが原則として認められなくなると注意を促しています。
ここで注目していただきたいのは、届出に必要な材料の出どころです。報酬の数字は給与台帳と帳簿から、保険料の納付資料は社会保険の手続から、納税の資料は税の手続から、支援の実施状況は支援の記録から集まります。担当がばらばらのままだと、5月に慌てて書類を集めることになりがちです。年1回になった分、前回のやり方を覚えている人がいない、という問題も起こりやすくなります。受入れ企業の義務の全体は特定技能の受入れ企業の義務で解説しております。
届出書の作成を任せられるのは行政書士・弁護士だけ
「支援を委託している登録支援機関に、届出もまとめて頼めばよい」とお考えの方もいらっしゃいます。しかし、受入れ企業が出す定期届出・随時届出の書類の作成を任せられるのは、行政書士と弁護士に限られます。報酬を得て官公署に出す書類を作成することは行政書士の業務で、行政書士でない者が報酬を得て業として行うことはできないためです(行政書士法第1条の3・第19条第1項)。
出入国在留管理庁のQ&Aも、届出書の作成を委任できるのは「行政書士又は弁護士の身分を有する方」であり、それ以外の者に委任することは行政書士法等に抵触するおそれがあるほか、適正な届出が履行されていないとみなされると注意を促しています。行政書士でない一般の登録支援機関が作れるのは、支援の実施状況など自社に関わる部分です。受入れ企業の届出書そのものは、会社の役職員が作るか、行政書士・弁護士に委任することになります。当事務所は登録支援機関であると同時に行政書士事務所ですので、支援の記録から届出書の作成まで一括でお引き受けできます。
よくあるつまずき
1. 社会保険の加入手続が遅れる
日本年金機構は、資格取得届の提出が後で分かった場合は、事実が発生したときに遡って保険料を納めることになると案内しています。建設業では、適切な社会保険への加入が建設業許可の要件になっており(令和2年10月から)、国土交通省の下請指導ガイドラインは、適切な保険への加入を確認できない作業員は、特段の理由がない限り現場入場を認めない取扱いを元請企業に求めています。受入計画の申請でも、常勤の職員の数は社会保険の加入状況で確認されます。
2. 天引きした住民税の納入が遅れる
特定技能では、労働・社会保険・税に関する法令を守っていることが受入れの基準です。運用要領は、特定技能外国人から特別徴収した住民税を会社が納入していないために未納がある場合は、税に関する法令を守っているとは評価しないとしています。特別徴収した住民税は、本人の給与から預かっているお金です。毎月の納入期限(翌月10日)を守る仕組みを作っておくことが大切です。
3. 家族の扶養の扱いを取り違える
健康保険の被扶養者には、原則として日本国内に住所があることが求められます(日本年金機構)。所得税の扶養控除で国外に住む家族を対象にするには、親族関係書類と送金関係書類が必要です。さらに30歳以上70歳未満の国外の家族は、留学中、障害者、その年に38万円以上の生活費などの送金を受けている、のいずれかに当たる場合に限られます(国税庁)。年末調整の前に、本人に書類の準備を伝えておくと安心です。
4. 退職時の届出が抜ける
採用時の手続は社内の流れに組み込まれていても、退職時は届け先が一度に増えるため漏れやすくなります。入管・国土交通省・ハローワーク・年金事務所・市区町村の5か所を、退職の連絡を受けた日に一覧で確認する運用をおすすめします。
5. 定期届出の時期を取り違える
以前の四半期ごとの運用のまま覚えていたり、年1回になって存在を忘れたりする例があります。毎年4月1日から5月31日までと、社内の予定表に入れておいてください。
当事務所にご依頼いただく場合
外国人を雇った後の手続は、届け先も担当の専門家も分かれます。それでも、建設会社のお悩みは、すべて当事務所がワンストップでお受けします。行政書士の手続に限らず、労務・社会保険は提携の社会保険労務士、決算・申告は提携の税理士、法律の問題は提携の弁護士と連携して対応します。
行政書士だからできること
| お手伝いの内容 | 当事務所(行政書士・登録支援機関) | 行政書士でない一般の登録支援機関 |
|---|---|---|
| 受入れ企業が出す定期届出・随時届出の書類の作成 | 代行できます | 作成の代行はできません(自社に関わる部分のみ) |
| 在留期間の更新など、在留資格の申請書類の作成 | できます | 作成の代行はできません |
| 国土交通省への受入報告・退職報告、受入計画の変更 | 代理できます | 代理はできません |
| 支援計画に沿った生活面の支援 | できます | できます |
- 届出書類の作成の代行:年1回の定期届出、雇用契約の変更・終了などの随時届出を、受入れ企業に代わって作成します。支援の記録も当事務所にありますので、材料集めから提出まで一度で済みます。
- 国土交通省の手続:受入計画の認定申請や受入報告を、実際に多く代理申請しています。海外から来た人のCCUSの技能者登録の代行も行います。
- 記帳代行:給与・保険料・税の支払いを帳簿につけ、届出や申告に必要な数字をそろえます。
- 建設業許可の更新や変更も当事務所で扱っています。
- 許可率98%の実績
代表は以前、協同組合(監理団体・登録支援機関)の理事長として、技能実習生・特定技能外国人の受入れと手続・支援の最前線に立ってきました。現在はその協同組合の顧問を務めています。また、千葉公共職業安定所(ハローワーク千葉)で外国人雇用の相談員を務め、初めて外国人を採用する会社のご相談に何度も対応してきました。在留資格の申請は、申請取次の届出をした行政書士である代表が、会社やご本人に代わって入管へ取り次ぎます。
初回相談は60分無料です。オンラインでのご相談もでき、JR千葉駅南口から徒歩4分の事務所にもお越しいただけます。日本語・中国語でご相談いただけます。
まとめ
- 外国人を雇った後の手続は、入管・国土交通省・ハローワーク・年金事務所・労働局・税務署・市区町村の7つの届け先に分かれます。
- 特定技能の定期届出は、令和7年(2025年)4月1日から年1回になりました。毎年4月1日〜5月31日に前年度分を出します。
- 定期届出には、報酬の支払状況と、社会保険料・労働保険料・税の納付状況の資料が必要です。給与・社会保険・税の担当がばらばらだと、材料を集めるのに手間がかかります。
- 建設分野の特定技能は月給制です。天候や会社都合の休みを欠勤扱いにすることは認められません。
- 社会保険の加入遅れ、住民税の納入遅れ、家族の扶養の取り違え、退職時の届出漏れが、よくあるつまずきです。
- 受入れ企業の届出書の作成を任せられるのは行政書士・弁護士だけです。行政書士でない一般の登録支援機関には任せられません。
- 当事務所は行政書士として届出書類の作成と国土交通省の手続の代理を行い、記帳代行も担当します。労務・社会保険・税・法律のお悩みも、提携の専門家と連携して当事務所の窓口でお受けします。
本記事は2026年10月時点の公表情報に基づいています。期限や様式は変わることがありますので、最新の情報は出入国在留管理庁・国土交通省・日本年金機構・厚生労働省・国税庁・お住まいの市区町村のホームページでご確認ください。